
一杯のコーヒーが、心をほぐす──大船渡市にコメダのキッチンカーが届けた“日常のぬくもり”
- 2025年5月8日
- コミュニティへの参画と投資、心と体の健康への貢献品質とお客様
「コーヒーを持って行かない選択肢は、なかったんです」
そう語るのは、コメダ珈琲店・総務部の中村さん。2025年春、大船渡市で発生した大規模火災の際、避難所にキッチンカーを派遣し、温かいコーヒーを届けました。

「大きな災害があると、社内で“何かできないか”という話が自然と出てくるんです。今回は東日本の災害だったので、エリアのSVに近隣店舗を当たってもらい、支援物資を引き取って現地に向かう段取りを立てました。その間に行政と連携して、支援が必要な避難所をピックアップしてもらい、名古屋からキッチンカーを移動させました」
現地では、東日本エリアのスーパーバイザーなど有志社員が少人数で集合。地元の担当者に挨拶をして、コーヒーの配布を始めました。
「大船渡では、食料は行政や他の企業の方々がしっかり届けてくださっていたようで、足りないという状況ではありませんでした。でも、避難生活は心身ともに疲れるものです。言葉をかけるのも難しい場面がありました」
そんな中、コーヒーを手渡すと、「以前お店に行ったことがあるよ」と声をかけてくれる方もいたそうです。
「他愛のない会話が、癒しになるんだなって思いました。ご飯をごちそうしてくださった方もいて、逆に申し訳ない気持ちにもなりました。でも、もらうばかりでなく、何かしてあげることが、人の尊厳や日常につながるんだろうなと感じて、素直に受け取ったんです。一緒に笑い合えたことが、関係性を築くきっかけになったと思います」

コメダがコーヒーにこだわる理由は、企業としての哲学に根ざしています。
「くつろぎの象徴であり、日常遣いするコメダだからこそ、特別感ではなく、非日常空間で日常を感じられることが癒しになると思うんです。能登に行ったときには、避難所の方から“パンにあんこを自分で塗って食べることが、いつもの食事のようでうれしかった”という言葉をいただきました。非常食をただ食べるだけでなく、いつもの食卓のように自分で何かをすることが、心の支えになるんだと思います」
能登半島地震の際には、初めての災害支援活動ということもあり、手探りの部分も多かったそうです。
「でも、地元密着のフランチャイズ加盟店のオーナー様が、行政や地域の方々とのハブになってくださって、避難所までのルートなども丁寧に教えていただきました。大船渡でも同じように、オーナー様との連携があったからこそ、物流網を使ったり、何が喜ばれるかを考えたりしやすかったです」
今後の課題として、中村さんは「継続性」と「参加の広がり」を挙げます。
「災害はないほうがいい。でも、支援活動は継続的に行うことで、もっと喜んでもらえることがあると思うんです。今は突発的に1団しか出せない状況なので、もっと多くの社員が参加できるような仕組みを整えたいですね」
コメダが目指すのは、地域とともに持続・成長していくこと。その姿勢は、災害時にも変わりません。

「地域に根差して商いをさせてもらっていることへの恩返し。そして、共生のために、災害が起きたときには少しでも心の健康に寄与したい。インフラに何かできるわけではありませんが、私たちができる“くつろぎ”のひとときを、地道に届けていきたいと思っています。それは、日常でも、災害時でも同じなんです」
災害という非日常の中で、コメダのキッチンカーが届けたのは、ただの飲み物ではありません。そこには、「日常を取り戻す力」と「人のぬくもり」が込められていました。
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コメダでは、今後も、“くつろぎ”で、人と地域と社会をつなぐ活動を行なっていきます。