コロンビアコーヒー農園レポート➀
- 2018年11月20日
- 環境
普段みなさんがコメダで飲まれているコーヒー豆は、どんなふうに作られているのでしょうか。コメダのコーヒー豆調達責任者・阿部さんがコロンビアにあるコーヒー農園を訪ね、収穫体験をしてきましたのでレポートいたします!今回は農園の様子・栽培から収穫編です。
南米大陸の北西部に位置するコロンビアは、世界有数のコーヒーの産地。上質なコーヒー豆が育つ条件は、標高が高く朝晩の寒暖差がはっきりした地域であること。南北をアンデス山脈が貫くコロンビアはコーヒーの栽培にとても適しているんです。
いざ、コーヒー農園へ!
阿部さんが訪れたのはコロンビアの首都・ボゴタ。標高2,600mに位置し、その高さは富士山の6号~7号目と同じくらいというのだから、いかに高いところかがわかるでしょう、初めて訪れると高山病になってしまう人も少なくないそうです。
今回訪れた農園は4つ。最も近い空港からオフロード車で3時間以上かかります。それぞれの農園は標高が高い山間部に存在し、山をいくつも超えていかなければなりません。
そして農園に到着。すると、作業をしていた方々が。カメラを向けると、すぐに笑顔で応えてくれました。みなさんとてもフレンドリーです。
さっそくコーヒーの畑へ!
そこはあたり一面の緑。2mを超えるコーヒーの木が阿部さんを出迎えます。現地の民族衣装であるポンチョと帽子を身にまとう阿部さん。なかなか決まってますね!
コーヒー豆の栽培は、苗木を植えることから始まります。さっそく阿部さんも体験です!コーヒー農園の方から、30~50cm程度の高さまで成長した苗木を受け取り、植える穴を深めに掘ります。苗木は、だいたい1.5~2mの間隔で植えていきます。
ところで、多くの農園では、バナナが一緒に育てられているのを知っていましたか?バナナの木は高さがあるため、コーヒーの木や実の日よけの役割を果たしているんです。もちろん、しっかりと実が熟すためにはある程度日光が当たるのは必要不可欠ですが、ずっと日光に晒されていると、逆に劣化につながってしまうそうです。
そうした環境の中でおいしいコーヒー豆ができています。阿部さんが植えたコーヒーの木も、しっかり育ちますように!
熟したコーヒー豆を収穫する
コーヒー木には白い花が咲き、花が落ちると緑色の小さな実がなります。実は大きくなるにつれて黄色に、そして赤に変化します。
実が熟すと、写真のように真っ赤な実になります。さくらんぼに似ているので、「コーヒーチェリー」と呼ばれています。かわいらしいですね。
▲熟したコーヒーの実は、農園の方の手で一つずつ丁寧に収穫していきます。
腰には深さ50cm程度の柔らかいバケツをつけ、効率よく入れていきます。こうして集めると、宝石のように鮮やかなコーヒー豆ですね。
収穫したコーヒー豆を水洗いし、乾燥させる
収穫した実は水洗いして、赤い実の部分を除去し乾燥させます。コーヒー豆の価値を高めるためには、しっかり洗って乾燥させることが大切です。乾燥機や天日干しでしっかりと乾燥させます。天日干しの場合は、すべての豆が十分乾くように、一定頻度で攪拌(かくはん)します。
乾燥したコーヒー豆を精選する
商品として売り出すために一定の基準で良質の豆を選別していきます。
まず、集められたコーヒー豆からゴミを取り除き、6段階の規格に合わせて選別していきます。コーヒー豆は精選所にある選別機を使って、サイズ、重さ、色ごとに分け、さらに商品にできる品質のものにスピーディーに仕分けされていきます。
そして最終段階では、人の手で品質チェックを行います。目、鼻、舌、を使い、コーヒー豆のクオリティを精査していきます。この作業は「カッピング」と呼ばれています。良質なコーヒー豆を持続的に出荷していくには、この作業が必要不可欠です。
まずは、コーヒー豆の香りから確かめます。
乾燥させたコーヒー豆を焙煎し、ミルで粉状にして8つのカップにいれていきます。鼻を近づけて、香りの深さ、香ばしさなど、しっかりチェック。阿部さんも真剣な表情です。そして、お湯を注ぎ、コーヒー香りを確認。あたりに香ばしいコーヒーの香りが立ち込めます。そして、それぞれスプーン1杯分を口に含み、味をチェックしていきます。
口元をすぼめて、ズッと勢いよく吸い込むことでコーヒーが口の中で霧状になり、まんべんなく味が広がるのです。甘味、酸味、苦み、コク、香り、余韻や後味などを確かめていきます。
水分量のチェックから、出荷へ
最後にコーヒー豆の水分量をチェックします。測定器にコーヒー豆を入れて表示される水分量を目視で確認していきます。
▲倉庫内にある大量の麻袋、このすべてがコーヒーなんです!
精選が終わったコーヒー豆は麻袋に入れられます。出荷前のコーヒー豆をストックしておく広大な倉庫も見学しました。うずたかく積み上げられたコーヒー豆は圧巻。これで何杯のコーヒーが飲めるのだろうと、想像をめぐらせてしまいますね。
出荷するときは、工場内にトラックを乗り入れ、フォークリフトで積み込みます。ここから船で日本にも送られます。
お客様へ「くつろぎ」を持続的にお届けするために
今回は4つの農園を訪れました。1つの農園のオーナーに話を聞くと、「そこまで収入は多くなく、従業員に給料を支払うのがやっとだ。しかし、Olam International Limited(以下、オラム社)の技術支援により、上質なコーヒー豆を効率的に作ることで、笑顔で仕事ができるようになった」と語っていました。
オラム社はより良い社会や環境のことを考えながら、生産農家が抱える課題解決に取り組んでいます。コメダもこの未来を見据えた理念に賛同しました。コメダはお客様の「くつろぐ、いちばんいいところ」を持続させていくために、今後も生産地と向き合い、生産者との関係づくりに取り組んでいきます。